マンションでエステサロンを開業するメリット・デメリット|営業許可は必要?
マンションを借りてエステサロンを開業しようと考える人は多いでしょう。
しかし、マンションにはどのようなメリット・デメリットがあるか、営業許可が必要か気になりますよね?
今回は、マンションでエステサロンを開業するメリット・デメリット、営業許可が必要かお伝えします。
また、開業できるマンションを探すポイントや、必要な費用もお伝えしますので、ぜひご覧ください。
マンションでエステサロンを独立開業するメリット・デメリット
エステサロンを独立開業する場所として、マンションはとても人気があります。
マンションで開業するには、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
マンションでエステサロンを開業するメリット
マンションでエステサロンを開業するメリットには、次のようなことが挙げられます。
- テナントで開業するよりも保証金や家賃を抑えられる
- 自宅サロンに比べ、生活感を出にくくできる
- 気持ちのオン・オフが切り替えやすい
- 好きな地域で開業できる
テナントで開業するよりも保証金や家賃を抑えられる
マンションで開業する場合は、テナントで開業するよりも保証金や内装工事費などの初期費用、家賃を抑えられます。
一般的にテナントで開業するには、家賃6ヶ月~15ヶ月もの保証金がかかり、内装工事を行えば、開業前に200万円以上は必要になるでしょう。
また、家賃もマンションと比べて割高です。
それに比べ、マンションだとそこまで開業費用はかかりません。
マンションでエステサロンを開業する場合に、必要になるおおよその費用は後述します。
自宅サロンに比べ、生活感を出にくくできる
マンションを借りてエステサロンを開業すれば、内装やインテリアなどの工夫によって生活感を出にくくすることが可能です。
自宅では、どうしても家族の物や生活に必要な物が隠し切れず、生活感がにじみ出てしまいます。
また、お客様が来店されている時間に家族が在宅していれば、生活音や声などが聞こえてくることもあるでしょう。
生活感を出さないよう、家族の協力を得る必要もありますが、エステの営業時間は家族にとって居心地の悪い時間となることも考えなくてはなりません。
自宅とは別にマンションを借りて開業すれば、家族が気をつかう必要がなくなります。
家族の物が目に付いてしまったり、家族が出す生活音を気にすることもなくなり、生活感はぐっと抑えられるでしょう。
気持ちのオン・オフが切り替えやすい
マンションでエステサロンを開業すれば、仕事とプライベートで気持ちのオン・オフが切り替えやすくなります。
エステのために借りたマンションの一室が職場となるため、出勤する必要があるからです。
気持ちの切り替えをするということは、プロ意識を持って仕事をする上では重要です。
好きな地域で開業できる
これからマンションを探すのであれば、好きな地域で開業できるというメリットもあります。
自宅だと、住んでいる場所が集客に不向きな場合もあるでしょう。
営業許可を得られるかどうかの問題はありますが、ターゲットとなる客層が利用しやすい場所や、自宅から通いやすい場所など、好きな場所で開業することが可能です。
マンションでエステサロンを開業するデメリット
マンションの一室という、自分だけのプライベート空間でエステサロンを開業できるのはとても理想的ですよね。
しかし、デメリットや注意点もしっかり把握しておく必要があります。
マンションでエステサロンを開業するデメリットは、以下のことが挙げられます。
- 商用利用可のマンションが少ない
- 家賃がかかる
- 立地条件がよい物件は家賃が高額になりがち
- 大幅な内装工事はむずかしい
- 他の住民からクレームが出るかもしれない
- 看板が出しづらい
- 集客しづらい
商用利用可のマンションが少ない
エステサロンができるマンションを探す際、「商用利用可」の物件が少ないという現実があります。
もともと「商用利用可」の物件数が少ない上に、利便性のよい場所やキレイな物件という条件を出すと、全く見つからないということも。
条件のよい物件探しには、苦労するかもしれません。
家賃がかかる
当たり前のことですが、マンションでエステを開業すれば、家賃がかかります。
テナントを借りる場合と比べると安いですが、それでも月に何万円とかかってくるため、侮れません。
開業すぐは、お客様の数がゼロという日が続くことも想定しておくべきです。
立地条件がよい物件は家賃が高額になりがち
集客のためには、立地条件のよい物件にしたいですよね。
しかし、立地条件がよい物件は、家賃が高額になります。
開業してすぐに家賃を充分にまかなえるほどの収益があればいいですが、始めはなかなか難しいと考えておいた方が無難です。
大幅な内装工事はむずかしい
賃貸マンションの場合、大幅な内装工事ができないと考えておいた方がよいでしょう。
退去するときには現状回復の義務があるためです。
また、内装工事をする場合は、大家さんの許可が必要になります。
大家さんに無断で内装工事をすると、退去の際、多額の現状回復費がかかってしまうので、覚えておきましょう。
他の住民からクレームが出るかもしれない
営業許可を得ていても、複数の人たちが共同で利用するマンションでは、エステサロンを営業していることで他の住民からクレームが出る場合があります。
その原因は、「セキュリティ」「ニオイ」「音」「看板の設置」など、さまざまです。
自分は気を付けていても、思わぬところからクレームが入ることがあります。
トラブルを少しでも防ぐためには、日ごろから良好なコミュニケーションをとることが大切です。
看板が出しづらい
マンションでエステサロンを開業するデメリットには、看板が出しづらいというものもあります。
大家さんから営業許可を得ていても、他の住民への配慮から看板を出さないように言われたり、設置場所をめぐってトラブルになったりすることもあるでしょう。
集客しづらい
マンションでエステサロンを開業すると、集客しづらいというデメリットもあります。
看板が出しづらいことも挙げられますし、テナントのように目立たないため、お客様の目に止まることがありません。
そのため、チラシや地域情報誌、SNSやホームページなどを利用して集客することになるでしょう。
マンションでエステサロンを開業するには営業許可が必要です
マンションでエステサロンを開業する場合、営業許可は必ず必要になります。
なぜなら、営業許可を得ずにマンションでエステサロンを開業すると、
- 税金の問題
- セキュリティーの問題
が出てくるからです。
税金の問題
マンションなどは、多くが「住居専用」として貸し出されています。
住居として借りる場合には、家賃や共益費などに消費税はかかりません。
しかし、事業用として借りるのであれば、家賃や共益費などに消費税がかかります。
また、大家さんにとっても、住宅専用のマンションよりも事業用のマンションの方が税負担がかかってしまうのです。
もし、営業許可を得ずにマンションでエステサロンを開業すれば、脱税行為となり、管理会社や大家さんとのトラブルにつながる可能性があります。
セキュリティの問題
次に、不特定多数の人の出入りによって、セキュリティの問題が出てきます。
住居用のマンションなら、入居者が安心・安全に暮らせることが一番です。
自分の大事なお客様であっても、他の住民から見れば「知らない人」。
知らない人が出入りしているのを見ると、不安を感じる人は多いでしょう。
管理会社や大家さんにとっても、セキュリティは神経を尖らす部分です。
もし自分の部屋に人が出入りしているのが原因で、マンション全体のセキュリティが危うくなったと思われてしまうと、最悪の場合、退去も考えられます。
「分譲マンションなら大丈夫でしょ?」
という考えも、実は間違いです。
マンションには管理組合があり、管理組合が規定するマンション管理規約で「住宅以外の目的で物件を使用してはいけない」という内容が書かれている場合があります。
また、「違反行為に対して管理組合が必要な措置をとることができる」などと規定されている場合があるのです。
自分は注意していても、どこからクレームが入るかはわかりません。
そのため、管理組合にも必ず営業許可をとるようにしましょう。
エステサロンをマンションで開業するためのポイント
マンションでエステサロンを開業するには、マンション選びがとても大切になります。
以下のポイントをしっかり押さえて、マンションを選ぶようにしましょう。
- 商用利用できるマンションを選ぶ
- 立地のよい物件を選ぶ
- 妥協できること・絶対に外せないことを考えておく
- 不動産会社で相談してみる
商用利用できるマンションを選ぶ
エステサロンをマンションで開業するための大前提は、「商用利用できるマンションを選ぶこと」です。
商用利用できないマンションでこっそり開業していると、同じマンション住民などからクレームが入り、退去となってしまう可能性が少なからずあります。
また、思い切った集客ができなかったり、いつもビクビクしながら営業したりと、いいことがありません。
そのため、物件を探すときは「事務所可」「商用利用可」「SOHO可」などの条件をつけて検索しましょう。
しかし、「事務所可」「商用利用可」「SOHO可」のマンションであっても、エステサロンはNGという場合もあります。
事前にエステサロンとして利用してよいか、大家さん・管理会社・管理組合などに確認をしておきましょう。
立地のよい物件を探す
エステサロンをマンションで開業するためには、商用利用でき、かつ立地のよい物件を探すことが大切です。
せっかくキレイな物件で開業しても、立地が悪い場所だとお客様はなかなか足を運んでくれません。
そのため、「駅から近い」とか、駅から遠くても「駐車場が完備されている」など、立地や利便性がよい場所を選ぶ必要があります。
また、ターゲットとするお客様が立ち寄りやすいエリアで物件を探すこともおすすめです。
妥協できること・絶対に外せないことを考えておく
エステサロンを営業するためのマンションを探す際、「この条件は外せない」「ここは妥協できる」ということをあらかじめ考えておきましょう。
先にもお伝えしたように、エステサロンを営業できるマンションは物件数も少ないですし、立地のよい物件は家賃が高額になりがちだからです。
そのため、マンションを探すときは、立地や家賃、築年数など数々の条件のうち、妥協できる部分はないか、どの程度なら妥協できるか、絶対に外せない条件は何かを考えましょう。
ひと駅遠くまで検索範囲を広げるだけでも、よい物件に巡り合えるかもしれません。
不動産会社で相談してみる
検索サイトで見つからない場合、不動産会社へ行って相談してみましょう。
検索サイトに載せていない物件があったり、直接大家さんや管理会社に話をしてくれる場合もあります。
相談の際は「一日にどれくらいのお客様が来店される予定か」「どういった内容のエステをするのか」などをきちんと伝えましょう。
また、こちらの要望を理解し、きちんと対応してくれる担当者に相談することが、よい物件が見つかりやすくなるポイントでもあります。
マンションでエステサロンを開業するおおよその費用は
家賃5万円ほどのマンションでエステサロンを開業するには、初期費用のみで30万円ほどかかるでしょう。
キレイなマンションで、あとは機械や道具をそろえるだけならいいのですが、内装も変えるとなると全部で150~200万円ほど見ておく必要があります。
内装工事をしない場合の費用の内訳は、以下のとおりです。
- 初期費用:約30万円~
- エステベッド・テーブル・文房具類:5万円~
- タオル、シーツ、化粧品などの消耗品:10万円~
- 施術後の化粧用設備(ドレッサー、メイク道具、ドライヤーなど):5万円~
- 美容機器:10万円~
- 洗濯機やパソコン・プリンタなどの家電:5万円~
- 販売する化粧品など
エステのメニューによって、必要な備品や機械などが変わってきますが、これだけで60万円以上になります。
内装工事をしない・機械はレンタルにするなどで、費用を抑えられないか考えてみましょう。
マンションでエステサロンを開業するメリット・デメリット|営業許可は必要?まとめ
今回は、マンションでエステサロンを開業する際の
- メリット・デメリット
- 開業届は必要か
- マンションを選ぶポイント
- 必要な費用
以上をお伝えしました。
マンションでエステサロンを開業することは、理想のサロンをつくりやすい反面、営業許可が必要だったり、周りの住民からの理解が必要だったりと、ハードルが高いのも事実です。
だからと言って商用利用ができないマンションで黙って開業すると、思うように集客ができず、撤退しなければならなくなる可能性があります。
また、他のマンション住民や大家さんなどと、トラブルになってしまうこともあるでしょう。
せっかくお客様がついてくださっていても、無許可で営業していたことがわかって信用を失うことになれば、立て直しも難しくなります。
マンションの規約をしっかりと理解し、気持ちよく堂々と開業できるようにしてくださいね。