出張型リラクゼーションを独立開業するメリット・デメリット
リラクゼーションで独立開業したい人のなかには、出張型を考えている人もいるでしょう。
出張型リラクゼーションを独立開業するなら、どんなメリット・デメリットがあるかをきちんと理解しておく必要があります。
この記事では、出張型リラクゼーションを開業するメリット・デメリット、出張型は稼げるのか、必要な手続きは何かについてお伝えします。
出張型リラクゼーションとは
出張型リラクゼーションとは、自宅サロンや店舗ではなく、お客様の自宅や宿泊先などに出向いて施術を行うものです。
施術内容はリフレクソロジーやタイ古式マッサージ、オイルトリートメントなど、出張先で施術可能のものであれば何でもできます。
また、出張型リラクゼーションを利用したいお客様は、以下のような人が挙げられます。
- 高齢などで外出がおっくうに感じている人
- 子供が小さく、一人でリラクゼーションサロンを利用するのが難しい人
- 仕事が忙しく、店舗型サロンの営業時間に利用できない人
- 出張型リラクゼーションが好きな人
このような人たちを多く取り込み、リピーターになってくれることで、収入は安定していくでしょう。
出張型リラクゼーションを開業するメリット・デメリット
出張型リラクゼーションを開業するためには、あらかじめ、どのようなメリットやデメリットがあるか理解しておくことが大切です。
開業してから「想定外だった!」ということのないようにしておきましょう。
出張型リラクゼーションを開業するメリット
出張型リラクゼーションのメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
- 店舗を持つ必要がない
- 初期費用や経費が少なく済む
- 開業・撤退しやすい
- 集客のエリアを自分で広げられる
- 副業でも始めやすい
- リラクゼーションサロンを持っていても併用できる
1.店舗を持つ必要がない
出張型リラクゼーションなら、店舗を持つ必要がありません。
店舗はテナントのほか、マンションや自宅などがありますが、立地条件の良し悪しで集客率が大きく左右されます。
また、店舗を持っていると
「生活感が出ないように」
「季節感を意識したインテリアにしなければ」
「施術の部屋や玄関、トイレの掃除をしなければ」
などと、お客様が来店される前の準備も意外に大変です。
店舗を持たない出張型なら、立地の悪さがあっても行動範囲を広げることである程度カバーできますし、店舗の準備が必要ありません。
2.初期費用や経費が少なく済む
出張型リラクゼーションは、店舗が必要ない分、初期費用や経費が少なく済みます。
店舗では、保証金や敷金・礼金、改装工事費、家賃、水道光熱費、家具代がかかりますが、これらは出張型であれば必要ありません。
必要なのは、タオルやベッド(必要な場合)、オイルなどの最低限のもののみ。
(ベッドを持ち運ぶ場合は、車があったほうが便利です)
自宅サロンやマンション、テナントに比べたら、開業前も開業してからも、経費を一番抑えられる方法になります。
3.開業・撤退しやすい
先ほどお伝えしたように、出張型は初期費用が少なく済むため、開業しやすいというメリットがあります。
テナントのように開業資金に何百万も必要だと「失敗したらどうしよう」とためらう人が多いですが、出張型だと開業のハードルがうんと低くなるのです。
また、開業しやすいのと同じく、撤退もしやすいのが出張型。
設備投資もしておらず、借りていた部屋の現状回復も必要ないため、事業に失敗したと思えばすぐにでも撤退できてしまいます。
4.集客のエリアを自分で広げられる
集客には、少なからず立地条件が関わってきます。
自宅サロンやマンション、テナントなどでは、お店の周辺に住んでいたり、そのエリアを利用する人が多いでしょう。
しかし、出張型であれば、自分が好きなようにエリアを拡大できるのです。
エリアを拡大すれば、店舗型では出会えなかったお客様と出会える可能性が高まります。
5.副業でも始めやすい
出張型リラクゼーションは、副業でも始めやすい形態です。
なぜなら、出張型リラクゼーションは店舗を持つ必要がないため、好きなように活動できるからです。
家賃のことを考えず、活動できるだけ活動するというスタイルは、副業でリラクゼーションを開業したい人にはピッタリでしょう。
6.リラクゼーションサロンを持っていても併用できる
自宅サロンやマンション、テナントでリラクゼーションを開業していても、出張を取り入れることができます。
「施術を受けたいけれど、移動手段がない」
「子供を連れて外出するのが難しい」
など、お客様の声に応えこちらから出向くようにすれば、新規顧客を獲得し、収益を増やすことができるでしょう。
出張型リラクゼーションのデメリット
次に、出張型リラクゼーションのデメリットについてお伝えします。
デメリットは、以下の4つです
- 移動時間のために一日の対応人数が少なくなる
- 店舗がないと信用されにくい
- 危機管理が必要(とくに女性の場合)
- 訪問先の環境に合わせる必要がある
1.移動時間のために一日の対応人数が少なくなる
出張型は移動の時間が取られるため、一人で一日に対応できる人数が少なくなる可能性があります。
お客様は狭いエリアにかたまっているわけではなく、あちこちに散らばっている事の方が多いからです。
店舗であれば、お客様のほうから出向いてくださいますが、出張なら自分が動かなくてはいけません。
移動距離が長くなればなるほど、施術にかけられる時間が減り、一日に対応できる人数が少なくなってしまうのです。
仮に、移動中に思わぬ渋滞に巻き込まれて、予約の時間に間に合わないこともあるかもしれません。
思わぬ事態を考慮し、移動時間を多く取ると、余計に対応人数に影響が出てしまうため、時間管理が難しいところです。
「月曜日はこのエリア中心で」などと、ある程度自分で調整できるかもしれませんが、なかなか難しいでしょう。
2.店舗がないと信用されにくい
出張型リラクゼーションは、信用されにくいというデメリットもあります。
店舗があれば「しっかりリラクゼーションをやっている所なんだな」という印象がつけられますが、店舗を持たないと
「ちゃんとやっているのか不安」
「怪しい」
と思われがちです。
そのため、しっかりホームページを作り込み、SNSで日々の活動を公開するなど、信頼されるようにしていかなければいけません。
しかし、信用されれば口コミが広がったり、リピーターを獲得できたりするため、地道に活動していきましょう。
3.危機管理が必要(とくに女性の場合)
女性のセラピストの場合は、女性限定にすることを強くおすすめします。
お客様の自宅やホテルなど、出張先は密室になることがほとんどです。
密室では、何が起こるかわかりません。
用心には用心を重ねた方が無難です。
仮に、女性のお客様から旦那様や彼氏、男性の友人を受けさせたいと言われた場合でも、お断りするか、女性のお客様が同伴するという条件で受けるようにしましょう。
自分の身は自分でしか守れません。
危機管理はしっかりとするようにしましょう。
4.訪問先の環境に合わせる必要がある
出張型リラクゼーションは、訪問先の環境がバラバラなので、臨機応変に対応する必要があります。
お客様のベッドや布団で施術するなら、寝具の高さが低すぎたり高すぎたりするかもしれません。
また、ベッドが壁に接している場合は、施術中の移動はどうするか、壁側に向いている体の施術をどのように行うか考えなければいけません。
施術ベッドを持ち込む場合でも、部屋が狭すぎて移動しにくいなどという問題もあるでしょう。
どのような環境であっても、常にベストを尽くさなくてはなりません。
ムリな体勢で自分の体を壊さないためにも、どのような環境が想定されるか、どのように対応したらよいか、あらかじめ考えておきましょう。
出張型リラクゼーションには何が必要?
出張型リラクゼーションに必要なものは、おおよそ以下のものです。
(オイルトリートメントを例としています)
- 施術用ベッド(お客様の寝具を使う場合は不要)
- タオル類
- 防水シーツ
- ペーパーショーツ
- ガウン
- ホットタオル用ボウル・タオル(ポットなど必要であれば)
- アルコール消毒
- 領収書
- おつり
- カルテ
- 筆記用具
- ゴミ袋
施術ベッドを持ち込む場合は、車があったほうが便利です。
持ちものが多いと、持ち運びや片付けが大変になるため、最小限にとどめましょう。
出張型リラクゼーションは稼げる?
稼働時間・日数、メニュー単価、一日の客数によって、どれほど売上を伸ばせられるかは変わってきますが、出張型リラクゼーションは必要経費が限られるため、比較的利益を残しやすいでしょう。
必要な経費と言えば、
- 交通費(車・電車など)
- オイルなどの消耗品
- 通信費
- 広告料
と、これくらいだからです。
ただ、店舗型と比べて移動時間を考えなくてはいけないため、一日の客数が少なくなる可能性があります。
そのため、
- 出張費を別に設けたり、メニュー単価自体を上げたりなど、価格を高めに設定する
- 出張型リラクゼーションを必要としている人が何を求めているのかをしっかり調査し、他との差別化をはかる
など、売上を伸ばせる方法を考えましょう。
多少高くても、ここでしか受けられないサービスや、高い技術力があれば、リピーターがつき、口コミで広がることも考えられます。
店舗がなく、不安要素の多い出張型では、お客様からの口コミは売上を増やし、収入を安定させる大きな力となるのです。
出張型リラクゼーションを開業するための手続き
リラクゼーションを開業するために、特別な手続きは必要ありません。
ただし、開業届と、青色申告承認申請書は提出しておきましょう。
開業届は提出しなくても罰則はありませんが、青色申告ができず最大65万円の控除が受けられないなどのデメリットのほうが多いので、提出することをおすすめします。
青色申告申請書は、最大65万円の控除が受けられたり、赤字を最大3年間繰り越せるなど、税制面でかなり優遇されるため、開業届と一緒に提出しましょう。
開業届と青色申告については、別記事で詳しくお伝えしています。
ぜひ読んでみてください。
開業届:エステ・整体・リラクゼーションで独立開業するなら!開業届を出そう
青色申告:青色申告と白色申告の違いは?それぞれのメリット・デメリットを解説
出張型リラクゼーションを独立開業するメリット・デメリット|まとめ
今回は、出張型リラクゼーションを独立開業するメリット・デメリット、出張型は稼げるのか、必要な手続きは何かについてお伝えしました。
出張型は移動が大変ではありますが、経費がそれほどかからないため、少資金で開業したい人や、副業でリラクゼーションをしたい人にはおすすめです。
しかし、時間管理や危機管理など、店舗型と比べると気を配らなければいけないことが多くなります。
メリット・デメリットをよく理解し、開業するようにしましょう。