リラクゼーションで独立・開業に資格は必要?資格の種類と取得方法

ストレス社会と言われる現代では、リラクゼーションセラピストの需要が高まっています。

しかし、

「資格は必要?」

「どうやって資格を取得できる?」

などの疑問がありますよね?

今回は、リラクゼーションで独立・開業したい人に必要な資格や、資格の取得方法についてお伝えします。

リラクゼーションサロンを独立・開業するために必要な資格は?

結論から先に言えば、リラクゼーションサロンを独立・開業するために必要な資格はありません。

何も資格を持っていなくても、独立・開業することができるのです。

ただし、気を付けるべき点が一つだけあります。

それは、「マッサージ」と混同しないことです。

リラクゼーションとマッサージの違い

リラクゼーションとマッサージには、大きな違いがありますので、注意しましょう。

場合によっては違法として摘発されることもあります。

リラクゼーションとマッサージの資格の違い

先ほどもお伝えしたとおり、リラクゼーションに資格は必要ありません。

しかし、「マッサージ」として事業をするなら「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要になります。

そのため、リラクゼーションには「マッサージ」の文字が使えません。

多くのリラクゼーションサロンでは、サロン名や施術コース名に「〇〇ケア」や「〇〇トリートメント」などという言葉を使用しています。

リラクゼーションとマッサージの施術目的の違い

リラクゼーションは、心や体に働きかけ、緊張をほぐしていきます。

疲れを癒し、健康を維持することで生活の質を高めることが本来の目的です。

保険は適用できず、施術時間に対する対価を受け取るかたちになります。

マッサージは、今ある体の痛みや不調を緩和していくことが目的で、法律で認められている医療類似行為です。

健康保険を利用することができ、症状に対する対価を受け取ります。

このように別々に見ると、リラクゼーションとマッサージは全く違うものであることがわかるでしょう。

リラクゼーションではお客様の症状を診断し、治療することは違法に当たるため、

  • 治る
  • 治療する
  • 診断する

という言葉を使用してはいけません。

たとえ素晴らしい施術で、お客様から「あなたのおかげで肩こりが治ったのよ」と言われても、「うちの施術で肩こりが治ります」などと宣伝しないでくださいね!

リラクゼーション資格を取得するメリットと資格の種類

リラクゼーションとマッサージは全く違うものということが理解できたでしょうか。

ここからは、リラクゼーションの民間資格を取得するメリットと、リラクゼーションにはどのような種類の資格があるのかをお伝えします。

「資格は要らないんじゃなかったの?」と混乱するかもしれませんね。

たしかに、冒頭で「リラクゼーションに資格は必要ない」とお伝えしました。

無資格でもリラクゼーションで独立・開業することは可能です。

しかし、多くのリラクゼーションセラピストは、何らかの民間資格を取得しています。

なぜ無資格でも開業できるのに、わざわざ民間資格を取得する必要があるのでしょうか。

それは、民間資格でも取得しておくメリットがあるからです。

リラクゼーション資格を取得するメリット

医療行為・治療行為ではないにしろ、人の心や体を扱う仕事をする上で間違いがあってはいけません。

人の心や体は、想像以上に繊細です。

いい加減な知識や技術では、お客様の不調を招いたり、ケガをさせてしまったりなどの可能性もあります。

民間資格であっても、リラクゼーションの資格を取得することには次のようなメリットがあります。

  • お客様が安心して施術を受けられる
  • 施術者が自信を持ってサービスを提供できる

ホームページやブログ、チラシなどで集客する際、「〇〇資格取得」と書いてあれば、無資格の人よりも安心感があるのではないでしょうか。

資格を取得するには、それなりの知識や技術を習得する必要があるというのが一般的な認識だからです。

また、しっかりとした教育機関で教わったことは、施術者にとっても安心ですし、自信にもつながります。

このようなことから、民間資格であっても、リラクゼーション資格を取得しておく方がいいでしょう。

リラクゼーション資格の種類には何がある?

「リラクゼーション」と一言でいっても、様々な種類があります。

主に体に働きかけるものや、心に働きかけるもの。

体に触れるものからカウンセリングのようなものまで、多種多様です。

次に挙げるリラクゼーション資格のなかで、あなたがやりたいもの、魅力を感じるものはあるでしょうか。

  • リフレクソロジー
  • リンパドレナージュ
  • アーユルヴェーダ
  • アロマテラピー
  • 心理セラピー
  • ロミロミ
  • カラーセラピー
  • アートセラピー
  • アニマルセラピー
  • ベビーマッサージ
  • タイ古式マッサージ
  • ヘッドスパ
  • オステオパシー
  • 足つぼ
  • 温泉セラピー(バルネオセラピー)
  • メイクセラピー
  • フラワーセラピー
  • カイロプラクティック
  • ハーブセラピー

これらはほんの一部であり、今後もっと増えていくでしょう。

また、整体や鍼灸、エステもリラクゼーションの一部という考えもあります。

人の心や体を癒す仕事であれば、何であっても「リラクゼーション」と言えるのです。

たくさんの種類を挙げましたが、それぞれに民間資格を取得できるスクールが存在します。

どういった場所でどんなカリキュラムで資格取得できるか調べてみましょう。

リラクゼーション資格を取得する方法は?

先ほどもお伝えしたとおり、リラクゼーションには本当にたくさんの種類があります。

また、一つの資格であっても様々な協会で資格を発行しているため、全てをここで挙げることはできません。

ここからは、リラクゼーション全般にわたって通用する資格や、リラクゼーションのなかでも人気の高いアロマテラピー、リフレクソロジー資格の一部をご紹介します。

(2021年10月現在の情報です)

リラクゼーション全般に対応する資格の取得方法

リラクゼーションセラピスト1級・2級(一般社団法人 日本リラクゼーション業協会)

リラクゼーションセラピストとしての知識や技術の向上を目指し、お客様から信頼されるお店づくりに役立てられます。

◎2級受験資格:協会会員で、協会会員会社に所属していること

◎2級試験料:7,700円(税込)

◎2級試験内容:50問 選択式 60分

◎1級受験資格:協会会員で、協会会員会社に所属していること・2級合格者

◎2級試験料:13,200円(税込)

◎2級試験内容:100問 選択式 90分

アロマセラピーの資格・資格取得方法

AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)

AEAJはアロマ関係の協会のなかで一番会員数が多く、知名度が高い協会です。

”植物の香りを用いた「アロマテラピー」を通じて人々の心身の健康に寄与することを目的に、アロマテラピーの普及・調査・研究などの活動を行っています。”
(公社 日本アロマ環境協会HPより)

アロマに関する基礎知識から、アロマを使った施術など、幅広い資格が用意されているため、自分の目指すセラピスト像に合わせてステップアップできるでしょう。

ここでは、アロマセラピストとしてお客様にアロマの施術を行う資格を取得する方法をご紹介します。

<AEAJ アロマセラピスト資格>

◎受験資格

  • AEAJ会員であること
  • アロマテラピーアドバイザー取得済みであること
  • 認定スクールでアロマセラピスト必須履修科目を修了し、履修証明書を提出すること

◎受講料:40万円ほど(スクールによる)

◎試験料:5,236円(税込)

◎資格登録認定料:10,450円(税込)

◎試験内容

  • トリートメント実技試験
  • カルテ演習
  • 学科試験

(公社 日本アロマ環境協会HPより)

JAA (日本アロマコーディネーター協会)

JAAはAEAJと比べると会員数は少なめですが、アロマの禁忌(してはいけないこと)などしっかりとした知識を身につけられるため、人気の高い協会です。

JAAは、以下の理念をもっています。

”アロマセラピーおよび関連する各種リラクゼーションの健全な普及を目的に、1995年11月1日に発足いたしました。”

(JAA 日本アロマコーディネーター協会HPより)

介護アロマコーディネーターや膝ケアコーディネーターなど、資格が細かく分けられているため、ターゲットを絞って事業をしたい人にはおすすめです。

ここでは、一般的なボディトリートメントの知識や技術の資格を取得できるコースについてお伝えします。

<JAA ボディトリートメントセラピスト資格>

◎受験資格:BTT教材を購入していること

 上記の受験資格に、下記1~3のいずれかに該当していること

  1.JAA主催またはJAAが指定するスクールにて、BTT受験対応講座を修了した者

  2.BTT加盟校にて、BTT受験対応講座を修了した者 

  3.直接受験の条件を満たした者

◎受講料:20万円ほど(スクールによる)

◎試験料:22,000円

◎資格登録認定料:22,000円

◎試験内容

  • 理論試験(筆記)
  • 小論文(課題作文)
  • カウンセリングシート作成
  • 実技試験(カウンセリング10分・全身トリートメント60分)

(JAA 日本アロマコーディネーター協会HPより)

リフレクソロジーの資格・資格取得方法

JREC (JREC日本リフレクソロジスト認定機構)

JRECの講師は全員がプロのセラピストのため、プロフェッショナルな技術や知識が学べます。

JREC認定リフレクソロジストとして独立開業が可能な資格は次にご紹介する「マスタークラス」ですが、上級セラピストや高齢者などに対応できる資格もあります。

<JREC認定 リフレクソロジストマスターライセンス>(通信講座)

◎資格取得対象︰JREC加盟校でマスターライセンス対応講座を修了した者・スクールの規定に則り受験資格を与えられた者

◎授業料︰受講費用:385,000円(税込)・スクーリング費用(別途):22,000円(税込)

◎試験料︰筆記:11,000円(税込) 実技:22,000円(税込)

◎試験内容︰記述問題・実技試験

◎登録料:33,000円(税込)

(JREC日本リフレクソロジスト認定機構HPより)

JHRS (日本ヒーリングリラクセーション協会)

JHRSのリフレクソロジーは、がん・認知症患者の緩和ケア等にも活用されるほどの高い技術を習得できます。

癒しというよりは、医療の色が濃い資格です。

<JHRS認定 リフレクソロジープロライセンス実技士資格>(学科は通信講座)

◎資格取得対象︰JHRSの公認校で、所定の講座を修了した者

◎授業料︰260,700円(教材費・税込)
 ※個別レッスン、スクーリング制度あり

(JHRS日本ヒーリングリラクセーション協会HPより)

通信教育でも資格は取れる?

リラクゼーションの資格は、通信教育でも取れるものがあります。

他に仕事をしている人や、子育て中で通学が難しい場合、通信教育であれば自分の都合の良い時間に勉強できるため、大変便利です。

また、多くの場合、通学制よりも通信教育のほうが受講料は安く設定されています。

どうしても安く抑えたい場合や、通うのが難しい場合は、通信教育を検討してみましょう。

通信教育の場合、教材とDVDなどで勉強することになります。

知識のみで活動できる種類のものは、それで充分でしょう。

しかし、施術が必要な種類のものであれば、実際に人の体で練習することがとても大切です。

そのため、施術が必要なものは、スクーリングなどで生徒が集まり、実際に体を動かし人の体に触れる練習ができる制度が整っているスクールを選びましょう。

資格取得のためのスクール選び

通学するスクールであっても、通信教育であっても、どのスクールで学ぶかはとても大切です。

スクールを選ぶときは、以下のポイントをよく考えて選びましょう。

  • 通いやすい立地
  • 自分が得たい知識や技術が学べるか
  • どんな講師がいるか(講師の実績や人柄)
  • 質問にしっかり答えてくれる環境であるか
  • 資格取得後までサポートしてくれるか(就職支援・開業支援など)
  • 卒業生の実績

スクール選びは、あなたのリラクゼーションセラピスト人生がかかっているとも言えるほど、大事な分岐点となります。

料金の安さだけで選ぶことのないよう、しっかりと考えてスクールを選ぶようにしましょう。

資格を取る以外の方法

実は、資格がなくてもお客様に安心してご来店いただいたり、自信を持って施術できたりする方法があります。

それが、実店舗での実務経験です。

リラクゼーションサロンの中には、未経験でも施術者を募集しているところがあります。

そういったところを選べば、全くの未経験であっても技術を身につけ、実績をつくることが可能です。

実店舗で実績を積むメリット

無資格の状態から実店舗で実績を積むことには、次のようなメリットがあります。

  • 資格を持っていなくても実践的な技術が学べる
  • 身近に先輩がいるので、質問しやすい
  • スクール費用がかからない(給与をもらいながら研修を受けられる所が多い)
  • 技術習得後、すぐに実践できる
  • 実務で失敗しても、先輩がフォローしてくれる環境がある
  • 様々なお客様に対応できるようになる

実店舗で実績を積むデメリット

実店舗で実績を積むのはとてもメリットが多い方法ですが、デメリットも考えておかなくてはいけません。

実店舗で実績を積むデメリットは以下のとおりです。

  • 必ずしも自分が得たい技術が習得できるわけではない
  • 技術や知識がかたよる可能性がある
  • 職場環境は働いてからでなければわからない
  • 独立のために仕事を辞めたくてもなかなか簡単には辞められない

実店舗で実績を積もうと考えているのであれば、そのお店がどんな施術を行っているのか、強みは何かを知っておく必要があります。

実際に働き始めてから「自分が習得したい技術と違う」とわかっても遅いからです。

これらのデメリットを解消するには、自分が働きたいなと思うお店を見つけたら、何度か施術を受けに通うことをおすすめします。

店員の接客態度や施術の内容、職場の雰囲気などがある程度わかるでしょう。

リラクゼーションサロンの独立・開業に必要な資格について~まとめ~

いかがでしたでしょうか。

「マッサージ」でなければ、リラクゼーションセラピストとして働く上で、資格はとくに必要ありません。

しかし、資格は持っていた方が、今後の事業において役立つことが多いですし、資格を取らなくても実店舗で実績を積む方法もありましたね。

自分の目指すセラピスト像をよく思い描き、それに近づけられる方法は何なのか模索してみましょう。

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